【アニマルピース】
資料  4

平成 30年 2 月 6日



多頭飼育崩壊発生時の行政の関与と多頭飼育崩壊抑制のための条例の検討に関する要望


昨年度の動物愛護推進協議会での要望書に対し文書(資料)による回答を頂きました。
ご検討の上、「現時点では、現状の制度により多頭飼育を把握し、解決を図ることにより対応可能と判断している。」との結果が導かれております。
今回、私、菅原の経験した多頭飼育事例や県内で活動される他団体等の事例をお伝えし、再度のご検討と行政の関与拡大を要望いたします。

関与の拡大の一点は、多頭飼育崩壊の発生時に保健所または愛護センターにおいて、緊急対応できる収容スペースを設けて頂きたいということがあります。

最近の事例として、神奈川県では死亡した飼い主に多頭に飼育されていた猫の譲渡会を特別に開催した取り組みがされました。

もう一点として、動物福祉に反するような飼育にならないよう指導、助言を積極的に行って頂きたいということです。
多頭飼育崩壊事例の中には、その飼育環境が著しく劣悪と思われるケースが多く、動物たちは不快と苦痛の中で飼育されています。
餌が不十分で痩せた個体が多い、きれいな水が十分与えられない、糞尿が放置された不衛生な環境、病気・怪我の放置、過密な飼育環境、近親交配、喧嘩、幼弱個体の圧迫、共食いなど、が起こっています。

今回、多頭飼育崩壊事例をいくつか挙げていますが、相談に対応するボランティア(動物愛護団体、活動家)が精神的、肉体的、金銭的負担を抱え取り組んでいることを知って頂きたいと思います。
ボランティアは劣悪な環境で不適切な飼い方をされた動物を引き取り、医療処置を受けさせます。
保護した後の医療費を飼い主本人が支払うことはできず、係わったボランティアが寄付を募ったり自腹を切ったりしている現実があります。
また、新しい飼い主へ譲渡できずにボランティア宅で過ごすこともあり、多頭飼育事例に遭遇するたびボランティアの下に動物がたまり疲弊していくことに繋がっています。

昨年度の回答書の結論通り、現状のままで対応ができているといえるのでしょうか。猫を室内飼育している場合など、騒音・悪臭での周辺住民からの苦情は出難いこともあり、苦情件数の多寡だけでなく動物福祉が損なわれた飼養を無くすことにも、より一層の取り組みが必要だと考えます。

将来の不適切な多頭飼育と引き取り依頼(飼育放棄)を予防するために、再度のご検討を要望します。